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愛犬と必ず生き抜く!災害時に後悔しない「命の準備リスト」

「もし、大きな災害が来たら、この子をどう守ればいいんだろう…」

40代、柴犬と暮らす主婦である私は、夜中にふと目が覚めて、隣でスヤスヤ眠る愛犬の顔を見るたびに、胸が締め付けられるような不安に襲われていました。テレビで災害のニュースを見るたび、「避難所で犬が吠えたらどうしよう」「犬嫌いの人がいたら…」「もし、はぐれてしまったら?」そんな最悪のシナリオばかりが頭をよぎり、準備の必要性は感じつつも、何から手をつけて良いか分からず、ただ時間だけが過ぎていく日々でした。このままでは、いざという時、愛する家族を守れないかもしれない。その恐怖が、私を常に苛んでいました。

なぜ「大好き」だけでは愛犬を守れないのか?

愛犬への「大好き」という気持ちは、私たち飼い主にとって何よりも大切なものです。しかし、災害時にはその気持ちだけでは乗り越えられない現実があります。多くの飼い主さんが私と同じように漠然とした不安を抱えながらも、具体的な行動に移せないでいるのはなぜでしょうか?

それは、情報が多すぎたり、何が本当に必要なのか分からなかったりするからです。私も以前はそうでした。しかし、ある日、獣医師で災害ボランティアの経験も豊富な友人、美咲に相談したことで、私の考えは大きく変わりました。

「ねえ、災害が来てから慌てる飼い主さんがどれだけ多いか、知ってる?もちろん、みんな愛犬を大切に思ってる。でも、その『大切』を形にする準備ができてないのよ」

美咲の言葉は、私の胸に深く突き刺さりました。私は、漠然とした不安を抱えているだけではダメだと痛感したのです。

転機は、友人との「本音トーク」から

美咲との会話は、私にとってまさに転機でした。私は彼女に、避難所での周りの目、愛犬がパニックにならないかという心配、そして何を用意すればいいか全く分からないことを正直に打ち明けました。

美咲は穏やかに、しかし力強く言いました。「一番大切なのは、愛犬の命を守るという『覚悟』を具体的に行動に移すこと。そして、それは愛犬だけでなく、あなた自身の命を守ることにも繋がるのよ。焦らなくていい。一つずつ一緒に考えていきましょう」

彼女のアドバイスは、私を不安の淵から救い出してくれました。美咲は、私に「環境省の『人とペットの災害対策ガイドライン』を読んでみて。そして、まずは『最低限これだけは』というリストから準備を始めてみよう」と具体的に教えてくれたのです。私はその日から、美咲のアドバイスを元に、少しずつ準備を始めました。

獣医師の友人が教えてくれた「命を守る3つの柱」

美咲によると、災害時に愛犬の命を守るための準備は、大きく3つの柱で成り立っているそうです。

1. 「緊急避難用バッグ」の準備

これは愛犬の命綱となるものです。「最低でも3日分、できれば5日分の物資」が目安だと言います。美咲が強調したのは、普段から愛用しているものを入れること。急な環境変化でストレスを受ける愛犬にとって、慣れた匂いや味は大きな安心材料になるからです。

  • フード・水: 普段食べ慣れているもの。アレルギー対応食も忘れずに。
  • 常備薬・サプリメント: かかりつけ医に相談し、多めに処方してもらう。
  • リード・ハーネス: 予備を含め2本あると安心。
  • 排泄用品: トイレシート、うんち袋。
  • 食器: 普段使いのものがベスト。
  • タオル・毛布: 慣れた匂いが安心に繋がる。
  • おもちゃ: ストレス軽減に役立つ。
  • 写真・飼い主情報: はぐれた時のために、連絡先や医療情報を記載。
  • マイクロチップ: 装着済みの確認と登録情報の更新。

2. 「避難生活」のための準備

避難所での生活は、愛犬にとって大きなストレスです。美咲は特に「クレートトレーニング」と「しつけ」の重要性を説きました。

「避難所では、他の人や動物との距離が近くなる。だから、クレートの中で落ち着いて過ごせる練習は必須よ。無駄吠えをしない、指示に従う、そういった基本的なしつけができていると、周りにも受け入れてもらいやすくなるから」

  • クレート・キャリーバッグ: 普段から慣れさせ、安心できる場所にする。
  • 無駄吠え防止トレーニング: 音や見知らぬ人への反応を抑える練習。
  • 「待て」「お座り」などの基本コマンド: 落ち着かせるために重要。
  • 地域の避難所情報の確認: ペット同伴可能か、専用スペースがあるかなど。

3. 「心の準備」と「地域の連携」

最も見落とされがちなのが、飼い主自身の心の準備だと美咲は言います。「パニックにならないために、シミュレーションをしておくこと。そして、地域のペット仲間や自治体との連携も大切よ。一人で抱え込まないで」

  • 避難経路の確認: 愛犬と一緒に歩けるルートを複数想定。
  • 家族会議: 災害時の役割分担、集合場所の決定。
  • 地域の防災訓練への参加: ペット同伴可能な訓練があれば積極的に。
  • 自治体のガイドライン確認: 最新情報をチェックし、不明点は問い合わせる。

愛犬の命を守る「緊急避難用バッグ」チェックリスト

項目準備状況備考
フード(5日分)□ 完了開封済みのものは定期的に入れ替え
水(5日分)□ 完了飲水、体拭き用
常備薬・サプリ□ 完了かかりつけ医に相談
リード・ハーネス□ 完了予備含む
排泄用品□ 完了トイレシート、うんち袋
食器□ 完了折りたたみ式が便利
タオル・毛布□ 完了慣れた匂いのもの
おもちゃ□ 完了ストレス軽減用
写真・情報□ 完了ラミネート加工推奨
マイクロチップ□ 装着・登録済登録情報に誤りがないか確認
クレート□ 完了普段から慣れさせておく

愛犬との避難、よくある質問

Q1: 避難所で愛犬が吠えてしまったらどうすれば良いですか?

A1: 事前のクレートトレーニングと無駄吠え防止のしつけが最も重要です。もし吠えてしまった場合は、すぐにクレートを布で覆う、一時的に外で気分転換させるなど、周囲への配慮を心がけましょう。美咲によると、避難所によってはペット専用スペースや、車中泊を推奨されるケースもあるそうです。

Q2: 避難所以外の選択肢はありますか?

A2: はい、親戚や友人の家、ペット同伴可能な宿泊施設、車中泊なども選択肢になります。事前に相談し、緊急時の受け入れ先を確保しておくことが大切です。複数の選択肢を持っておくと安心ですよ。

Q3: 何から手をつければいいか、やはり迷ってしまいます。

A3: まずは「緊急避難用バッグ」に、フードと水、そして常備薬の3点だけから始めてみてください。完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ。一つ準備が進むたびに、愛犬を守る自信が湧いてくるはずです。

愛しているからこそ、今、一歩踏み出そう

愛犬の命を守るための準備は、決して特別なことではありません。それは、愛する家族への責任であり、私たち飼い主の「覚悟」を形にする行動です。私も、美咲のアドバイスをきっかけに少しずつ準備を進める中で、漠然とした不安が、確かな安心感へと変わっていくのを感じています。

この準備は、愛犬の命のバトンを未来へ繋ぐための、私たち飼い主の「手」そのものです。今日から、あなたも愛犬のために、最初の一歩を踏み出してみませんか?その一歩が、きっと愛犬との明るい未来を切り開くはずです。

この記事を書いた人

愛沢 恵(あいざわ めぐみ)| 40代 | 愛犬と心豊かな暮らしを提案するwebライター

柴犬と暮らす一児の母。以前は災害時のペットとの避難について漠然とした不安を抱えていましたが、獣医師の友人との出会いをきっかけに、具体的なペット防災の知識を深めました。自身の経験と、専門家からの学びを活かし、愛犬家が安心して備えられるための情報を発発信しています。愛犬が家族の一員として、いつまでも笑顔でいられる未来を願って活動しています。