MENU

犬の散歩マナー、マーキング問題に終止符を!愛犬と自信を持って歩く秘訣

「うちの子、どうしてこんなにマーキングしたがるんだろう…?」

40代主婦の私も、愛犬のトイプードル、ココと散歩に出るたびに、いつもこの悩みを抱えていました。水をかけるのはもちろん、マーキング自体をさせないべきなのか、それとも犬の本能だからある程度は仕方ないのか。その狭間で、いつも心がモヤモヤしていたのです。

ある日、近所の植え込みでココが何度も足を上げているのを見て、通りすがりの方がフッとため息をついたのが聞こえました。その瞬間、私の胸にズシンと重い石が乗ったような感覚。「もしかして、私って周りに迷惑をかけている…?」心臓が締め付けられる思いでした。ココの無邪気な顔を見るたびに、「この子の自由を奪っているのか?」という罪悪感と、「でも、ちゃんとした飼い主でいたい」という焦りが押し寄せ、散歩が楽しいはずなのに、いつしか足取りが重くなっていました。

なぜ、愛犬の「マーキング」が私たちを悩ませるのか?

犬にとってマーキングは、自分の存在を示す大切なコミュニケーション手段。本能的な行動だからこそ、「やめさせるべきか」と悩むのは当然です。でも、私たち人間社会には、公共の場でのマナーというものが存在します。この本能とマナーの板挟みが、多くの飼い主を苦しめているのではないでしょうか。

一般的な解決策としては、「おしっこに水をかける」「マーキングしそうな場所を避ける」といったものが挙げられます。私も毎日、携帯用の水筒を持ち歩き、ココがおしっこをするたびに丁寧に水をかけていました。しかし、それでは根本的な解決にはなりません。ココは水をかけた後も、またすぐに別の場所でマーキングをしようとします。まるで、私の努力をあざ笑うかのように…。

「このままじゃ、いつか大きなトラブルになるんじゃないか…」

そんな不安が頭から離れませんでした。いくら水をかけても、その行為自体が周囲に不快感を与えているのではないか。マーキングされた場所の匂いが残って、また別の犬がそこにマーキングしてしまう悪循環が生まれているのではないか。そんな想像が膨らむたびに、私はどんどん自信を失っていきました。

転機は、ドッグトレーナーの友人との偶然の再会

そんな悩みを抱えながら、ある週末、犬のイベント会場で偶然、学生時代の友人である佐々木さんと再会しました。彼女は今、ドッグトレーナーとして活躍していると言います。私がココのマーキングの悩みを打ち明けると、佐々木さんは優しく微笑んでくれました。

「マーキングの悩み、本当に多いんだよ。でもね、ココちゃんは悪くないし、あなたもダメな飼い主じゃない。ただ、犬の気持ちと人間のマナーの“通訳”がちょっと足りてないだけだよ」

佐々木さんの言葉に、私はハッとしました。通訳…? 私が一方的にココの行動を制限しようとしていただけで、ココの気持ちを理解しようとしていなかったのかもしれません。

佐々木トレーナーが教えてくれた「心の通訳」と実践のステップ

佐々木さんは、マーキングを「犬のSNS投稿」に例えて説明してくれました。

「犬にとって、おしっこはただの排泄だけじゃないんだ。自分の情報を発信したり、他の犬の情報を受け取ったりする、大事なコミュニケーションツールなんだよ。だから、完全に禁止するのは、SNSを全部取り上げるようなもの。ストレスになっちゃうんだ」

私は目から鱗が落ちる思いでした。ココの行動は、決して私を困らせるためではなく、本能に基づいた自然なコミュニケーションだったのです。

「でも、だからといって、どこでも自由にさせていいわけじゃない。そこで大事なのが、『どこなら投稿していいか』を教えてあげること。つまり、マーキングしてもいい場所を明確に教えてあげるトレーニングなんだ」

佐々木さんが教えてくれたのは、以下の3つのステップでした。

ステップ1:排泄は「特定の場所」で済ませる習慣をつける

散歩に出る前に、自宅の庭やベランダ、または公園の決められたトイレゾーンなどで排泄を済ませる習慣をつけること。これにより、散歩中の「緊急性」を減らせます。

「最初に排泄を済ませておけば、散歩中は純粋に探索や運動を楽しめるようになるからね」と佐々木さんは言いました。

ステップ2:散歩中の「マーキング許可ゾーン」を設定する

佐々木さんは、散歩中も完全にマーキングを禁止するのではなく、「ここならOK」という場所をいくつか決めておくことを提案してくれました。例えば、人通りの少ない公園の木の根元や、私有地ではない電柱の特定の場所などです。

「リードを少し長めにして、匂いを嗅がせたい場所に誘導してあげるんだ。そして、『OK』などの合図でマーキングを許可する。終わったら『よし!』って褒めてあげてね。これを繰り返すことで、犬は『ここでならマーキングしてもいいんだ』と学習するようになるよ」

ステップ3:マーキングを促す「匂い」の管理

すでにマーキングされてしまった場所の匂いは、犬にとって「投稿しろ!」という誘惑です。佐々木さんは、市販の消臭スプレーや、酢を薄めた水などで匂いを消すことの重要性も教えてくれました。

「特に、自分の家の周りや、よく通る場所は意識して匂いケアをしてあげると、ココちゃんも『ここはもう自分の縄張りじゃない』って認識しやすくなるよ」

愛犬との散歩がストレスフリーに変わった私

佐々木さんのアドバイスを実践し始めてから、私の散歩は劇的に変わりました。最初は難しかった「排泄は特定の場所で」も、根気強く続けるうちにココも理解してくれるように。そして、「マーキング許可ゾーン」を設けることで、ココは無駄なマーキングをすることが減り、その分、許可された場所では心ゆくまで「SNS投稿」を楽しんでいるようでした。

「あぁ、この子もちゃんと我慢して、私の気持ちに応えてくれてたんだな…」

そう思うと、胸が熱くなりました。以前は「ダメ!」と叱ることが多かった私も、今はココの行動を理解し、適切な場所で自由にさせてあげられるようになったのです。近所の方からの視線も、以前のような刺すようなものではなくなり、笑顔で「可愛いわね」と声をかけてもらえることが増えました。

まるで、ココと私の間に、新しいコミュニケーションの扉が開いたようでした。散歩が、心から楽しい時間になったのです。

愛犬のマーキング問題、Q&Aでスッキリ解決!

Q1: マーキングは完全にやめさせるべきですか?

A1: いいえ、完全にやめさせるのは犬にとって大きなストレスになります。佐々木さんの話では、排泄行動とマーキング行動を区別し、排泄は特定の場所で、マーキングは許可されたゾーンで、というようにコントロールすることが大切だそうです。

Q2: おしっこに水をかけるだけではダメですか?

A2: 水をかけることは、その場の匂いを薄める上で非常に重要です。しかし、それだけでは犬が「ここでマーキングしてはいけない」と学習するわけではありません。佐々木トレーナーによると、匂いを消すことに加えて、マーキングの場所をコントロールするトレーニングを組み合わせることが効果的です。

Q3: 他の犬の匂いを嗅ぐのは、やめさせるべきですか?

A3: 他の犬の匂いを嗅ぐのは、犬にとって重要な情報収集です。無理にやめさせる必要はありませんが、長く嗅ぎすぎたり、立ち止まりすぎたりして他の人の迷惑にならないよう、リードで誘導してあげるのが良いでしょう。佐々木さんは「短時間で情報を得て、次の場所へ移動する」練習も有効だと言っていました。

Q4: 散歩中のリードの長さはどれくらいが適切ですか?

A4: 佐々木さんによると、基本的には犬が飼い主の横を歩ける長さ(短め)が安全で理想的です。ただし、マーキング許可ゾーンなど、特定の場所で匂いを嗅がせたり、自由に動かしたい場合には、フレキシブルリードや長めのリードを一時的に使うのも一つの方法だそうです。状況に応じた使い分けが重要ですね。

愛犬との散歩は、もっと幸せな時間になる!

愛犬のマーキング問題は、飼い主なら誰もが一度は悩むことかもしれません。しかし、それは決して「ダメな飼い主」の証拠ではありません。犬の本能を理解し、私たち人間社会のマナーと上手に「通訳」してあげることで、愛犬との絆はさらに深まります。

佐々木さんのアドバイスのおかげで、私は今、ココとの散歩を心から楽しめています。以前のような不安や罪悪感はもうありません。むしろ、ココとのコミュニケーションが深まったことで、お互いの信頼関係がより強固になったと感じています。

もし今、あなたが同じように悩んでいるなら、どうか一人で抱え込まないでください。犬の行動を理解し、適切なトレーニングを行うことで、散歩はもっと楽しく、もっと幸せな時間へと変わります。愛犬との毎日が、輝きに満ちたものになるよう、今日から一歩踏み出してみませんか?

この記事を書いた人

山田 明日香 | 40代 | ドッグオーナー向けコンテンツライター

愛犬のトイプードル「ココ」との生活を通じて、多くの飼い主さんが抱える悩みや喜びを共有したいと願うWEBライター。特に、散歩時のマナーやしつけには深く関心を持ち、ドッグトレーナーの友人から得た専門知識と自身の体験に基づいた、実践的で心温まる情報発信を心がけています。愛犬と飼い主が、心から幸せな毎日を送れるようなヒントを届けることがライフワークです。