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低山ハイクも「命綱」は必須!スマホで簡単、家族を守る登山届

「低山だから、まさか遭難なんてしないだろう」

そう思っていませんか?かつての私もそうでした。週末の気軽なハイキング、家族や友人とのおしゃべり。そんな楽しいひとときが、一瞬にして悪夢に変わる可能性を、私は知らなかったのです。

あれは、去年の秋のこと。私のママ友であるAさんが、ご主人と二人で近所の里山へハイキングに出かけた時の話です。標高わずか500mほどの、地元では人気のハイキングコース。整備された道を歩き、山頂からの眺めを楽しみ、お昼にはお気に入りのカフェでランチ…そんな完璧な計画だったはずが、一変しました。

「道に迷っちゃってね。軽い気持ちで脇道に入ったら、あっという間に方向が分からなくなって…」

Aさんの声は震えていました。夕暮れが迫り、気温が下がり始める中、二人は焦りから、さらに深みにはまっていったそうです。スマホの電波も途切れがちになり、頼みの綱だった地図アプリも 제대로機能しない。「このまま夜になったらどうしよう…」「子どもたちが心配してるだろうな…」そんな不安が頭の中を渦巻いたと言います。幸い、数時間後には他の登山者と合流し、無事に下山できましたが、その時の恐怖は今でも忘れられないと話していました。

その話を聞いた時、私の心臓はドクンと音を立てました。なぜなら、私自身もつい先日、家族と低山ハイクに出かけ、ほんの少し道を外れて「あれ?」と冷や汗をかいたばかりだったからです。そして、Aさんと同様に、登山届なんて一切提出していませんでした。

「低山だし、まさか遭難なんて…」

その「まさか」が、現実になるかもしれない。Aさんの話を聞きながら、私は背筋が凍るような思いでした。もし、あの時、私が家族と道に迷って、Aさんのように下山できなかったら?子どもたちに、どれほどの心配をかけることになるだろうか。夫は、私を、家族を、どうやって見つけようとするだろうか。

「あの時、私がもっとちゃんと準備していれば…」

そんな後悔の念が、胸を締め付けました。低山だからこそ、油断していた。気軽に楽しめる場所だからこそ、「大丈夫」という根拠のない自信があった。しかし、その甘い認識こそが、一番危険な落とし穴だったのです。

低山ハイクの「安全神話」は、もう通用しない

私はすぐに、山岳救助隊に勤務する友人に連絡を取りました。彼の話は、私の認識を根底から覆すものでした。

「実はね、遭難事故の約半数は、標高1000m以下の低山で発生しているんだよ」

彼は静かにそう語りました。警察庁の統計データを見せてもらうと、確かにその通り。高山での遭難はニュースになりやすいけれど、低山での道迷いや滑落、体調不良による事故は日常的に起きているというのです。

「低山だからこそ、人は油断する。整備されたコースでも、ちょっとした不注意で道を踏み外す。そして、スマホの電波が届かない場所も意外と多いんだ。そんな時、登山届がなければ、捜索は大幅に遅れる。最悪の場合、手遅れになることもあるんだよ」

彼の言葉は、まるで鋭いナイフのように私の胸に突き刺さりました。「こんなはずじゃなかった…」私たちは、気軽に山を楽しみたいだけなのに、命の危険に晒されるなんて。家族に、こんな心配をかけたくない。私自身も、後悔しながら山で夜を明かすなんて、想像しただけで身震いしました。

警察署に行かなくてもOK!スマホでサクッと「命の保険」をかける方法

絶望的な気持ちになりかけた私に、友人は一筋の光を見せてくれました。

「でも、安心して。今はスマホで簡単に登山届が出せるアプリがあるんだ。警察署まで行く必要も、紙に記入する手間もいらない。まるで、出発前に『命の保険』をかける感覚だよ」

その言葉に、私は救われる思いでした。面倒な手続きが嫌で、登山届の存在自体を避けてきた私にとって、それはまさに「目から鱗」の情報だったのです。

彼が教えてくれたのは、「コンパス」「YAMAP」「ヤマレコ」といった登山計画書提出サービスです。これらのアプリを使えば、登山計画の作成から、登山届の提出、さらには下山連絡まで、スマホ一つで完結できるというのです。

コンパス(山と自然ネットワーク「コンパス」)

これは、警察庁と連携している公式の登山届提出システム。提出された情報は、全国の警察署や山岳救助隊に共有されます。Webサイトでもアプリでも利用可能で、使い方も非常にシンプル。万が一の時に、最も確実な「命綱」となるでしょう。

YAMAP(ヤマップ)

登山地図アプリとして非常に有名ですが、登山計画を作成し、それを登山届として提出する機能も備わっています。GPS機能と連携し、電波が届かない場所でも現在地を確認できるのが大きなメリット。多くの登山者が利用しているため、情報共有もスムーズです。

ヤマレコ

YAMAPと同様に、登山地図と記録、そして登山計画の提出機能を兼ね備えています。詳細なルート情報や他のユーザーの記録を参考にできるため、計画を立てる際にも非常に役立ちます。

これらのアプリの素晴らしさは、単に登山届を提出できるだけでなく、

  • 緊急時の連絡先を登録できる:家族に自動で通知が行く設定も可能。
  • 現在地を共有できる:家族や友人が、あなたの登山状況をリアルタイムで確認可能。
  • 下山連絡を忘れない:下山後に連絡を入れないと、未帰還者として扱われるリスクを防ぐ。

といった、安心のための機能が満載だということです。私はすぐに「コンパス」をダウンロードし、次回のハイキングに向けて登録を済ませました。操作は驚くほど簡単で、数分で完了。これなら、登山前にサッと準備できる!「なぜ、もっと早く知らなかったんだろう…」と、過去の自分を少し恥ずかしく思いました。

家族の笑顔を守るために、今できること

先日、私は家族と再び低山ハイクに出かけました。出発前、私は子どもたちに「ママは今から、山のお巡りさんに『どこに行くか』を連絡するからね」と説明しながら、スマホで登山届を提出しました。

「もし、ママが迷子になっても、お巡りさんが探しに来てくれるんだよ」

子どもたちは目を輝かせながら頷いていました。その言葉を聞いた時、私の心は温かい安心感で満たされました。もしあの時、Aさんのような事態が我が身に降りかかっていたら…考えるだけで、胸が締め付けられます。

登山届の提出は、自分自身の安全を守るだけでなく、何よりも「家族の安心」を守る行為です。低山だから大丈夫、という根拠のない自信は、時に大きな悲劇を招きます。たった数分の手間を惜しむことで、取り返しのつかない事態になる可能性を、私たちは決して軽視してはなりません。

スマホ一つでできる「命の保険」。さあ、あなたも次の低山ハイクから、この新しい習慣を始めてみませんか?あなたの小さな一歩が、あなた自身と、大切な家族の未来を守る大きな力になるはずです。

「もう、大丈夫」と、心から言える登山のために。